長谷川泰三 車椅子 命のカウンセリング 心理カウンセラー


パラオの夕日 1ページ目


十数年前のことです。

とてもお世話になったカウンセラーのおじさんにこんなことを
聞かれました。


「やすぞうよ、きみはパラオの夕日を見たことがあるか?」


へっ? ぱっパラオ... 

その頃の私は広告の制作を仕事にしていましたので、イメージ写真なんかではパラオをよく使っていました。


「知ってるよ、パラオの夕日か... すごいきれいな夕日やね」


そのおじさんじつは元金融屋さんのカウンセラーで、見た目がまるで“ヤクザ”みたいな人なのです。

これ笑える話しなのですが、本当にホントなのです。

そのこわいヤクザみたいな顔をしたおじさんが眉間にシワをよせて


「ほんまか~ ほんまにワレ、パラオしっとんのか~!」って言うのです。

「しっ知ってるよ、きれいな写真やったら...」

「何~! 写真~! ワレ~お~じょ~しまっせ~」


こっ殺されるかもしれないって思った僕は


「すいません、すいません、なんかわからんけどすいません」ってあやまっていました。

「あやまらんでもエエよ。わしが言いたいのは本物のパラオの夕日とお前の知ってる“写真”とは違うってことや」

「それ、どういうことですか?」

「お前、何か挫折したって顔しとるな」(ヤバイ... バレたか)

「最後にワシに顔見せにきたんやろ」

「なんのことですか?(バレバレやんか)」


親父がいなかった俺はそのその“ヤクザ”みたいなカウンセラーのおじさんのことをホントの親父のように慕っていました。

そのおじさんも俺を自分の息子のようにかわいがってくれました。

仕事の失敗... 離婚... そんなものを抱えていた俺を“飲み”に連れ出し、朝までいろんな話しをしてくれたのです。

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