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親父の勲章 1ページ目

かなり前の話しですが、当時おこなっていた無料電話カウンセリングにこんな電話がかかってきました。

「あの〜え〜っと 別に何でもないんですけど」
(別に何でもなかったら、ここには電話してないハズ...)

「あの〜 仕事の問題って聞いてもらえるんですか?」

「ええ、どんな事でもお伺いしますよ。さてどんな問題なのでしょうか?」


その方は30代の男性で、3ヶ月前に仕事を辞めてから仕事に対して意欲的に向き合えなくなってしまったというお話しでした。

仕事を探さなきゃって思っとたんに吐き気がして、ときには本当に吐いてしまうこともあるのだということでした。


「すいません。こんな話しで... 情けないというか...」
 

彼は私に対して本当に申し訳なさそうに話すのでした。


「そんなに自分を責めてはダメですよ。何か郵便ポストが赤いのも俺のせいって感じですね(笑)」

「ははっ(笑)そうですね。最近、友人にも『お前ごめんなさい星人か!』って言われています」


最近の彼は誰に対しても『ごめんなさい、ごめんなさい』っていうので、友人から“ごめんなさい星人”とあだ名をつけられたそうです(笑)。

それからお互い45分間気楽な感じでいろいろな話しをして、彼は私を気に入ってくれたようです。


「長谷川さん、会ってお話しはできませんか?」

「面談カウンセリングをしたいということですか?」

「はいっ、ぜひ会ってお話しをしてみたいのですが...」


それから数日して彼は大阪のカウンセリングルームへやってきました。

彼は会ったとたんに引きつった笑顔で『すいません』といいました。


「どうしてあやまるのですか?」

「何か自分が悪いことをしているようで...」

「何か悪いことでもしているのですか?」

「イヤっ別に悪いことはしていないのですが、仕事をしていないってことがすごく悪いことをしているみたいで...」


彼は背広が似合うとても真面目そうな青年でした。


「3ヶ月前まではどんな仕事をされていたのですか?」

「はいっ、外資系の会社で営業をしていました」

「外資系の会社で営業ですか。忙しくはなかったですか?」

「それは... 口では言えないくらい忙しかったです。ちゃんと寝るヒマもなかったんです」


朝8時から夜中の11時まで、働いて、働いて、くたくたになって働いて... そんな数年間だったそうです。

彼はとても頑張り屋さんだったみたいで、会社からも認められてぜひ“リーダー”になってくれと言われた矢先に仕事に行けなくなってしまいました。


「会社を辞める前に、お休みをとったりはしましたか?」

「イヤっ、これ以上は迷惑はかけられないので辞めることにしたんです」


彼は以前、会社を無断欠勤したことがあるそうです。

その時も同じように仕事に行けず、その上家にも帰れない状態でどこに行くでもなく、街をウロウロしていたのだそうです。

3日間、会社を無断で休んだあとで会社に出向き「辞める」という彼を上司が引き止めてくれたのだということでした。

それから彼は一生懸命頑張り、会社の信頼も得て、さあ“リーダーに!”というところで今回の問題がおこったのです。


「以前も辞める、辞めないという問題をおこしていますので、今回はもう...」

「休むことは出来なかったんでしょうか?」

「サボる自分を許せないんです... 何か最低だって感じで...」

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