この罪悪感は普通ではないと思いました。
心の底で自分以外の誰かを責めているに違いない... 誰を責めているのだろう?
「今の彼方の状態って誰かに似ていませんか?」
「私の今の状態? 仕事に失敗して... 最悪って感じ... あ〜っ、親父だ!」
「その親父さんのことを聞かせてもらえませんか?」
「え〜っ、親父〜 う〜っ、あんまり考えたくない」
(そうか親父さんだったのか... キーワードは親父さんか...)
彼の親父さんは昔、仕事で大きな失敗をしたのだそうです。
惨めで、家族にも愛されずに最悪の親父...
俺はリッパな男になるんだ! 成功するんだ!出世するんだ!「絶対に親父みたいになるもんか!」そう言い聞かせながら頑張ってきたのだそうです。
「お父さんが仕事に失敗されたのですか。そうだとしたら、貴方が大きな会社に就職したときお父さんは喜んでいたでしょう?」
「イヤっ、親父を裏切っているような感じがして..何かよけいに近寄りにくくなってしまって... 」
(そうか、親父みたいになるものか!って大企業に就職したとき、それが親父さんに対しての攻撃や裏切りみたいなものになってしまったんだな)。
「私は子供のころ親父に怒っていました。何でしっかりしてないんだよ〜 何でうちが貧乏なんだよ〜 って思っていました」
「最近、その親父さんに似てきたって言われませんか?」
「よく言われます... 最悪ですが...」
「今の貴方だったら、親父さんの気持ちが分かるんじゃないですか?」
「・・・・・・・・」
私達はみんな子供ころに親に対して不満を持ちます。
まるでボクシングを観戦しながら“もっと頑張らんか〜”“何やってんねん!”って言っているようなものです。
子供の頃の私達は“大人の世界”というリングを観客席から見ているだけでよかったのですが...
「今、私がそのリングに上がっているんですね」
「そうです。その通り... もう親父さんと同じ世界に生きているんですよ。
だからなかなか思うようには出来ないってことが、今の貴方なら分かるハズですよ。やっと親父さんを理解できる年になったってことですか」
「たしかにそうかもしれません...」
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